27日夕方に成田空港を出発して、およそ8時間のフライトの後、バンクーバーに到着しました。大会2日目(プレイベント含む)のお昼前の到着となりましたが、それでも盛り沢山の一日でした。それではDay 1のデイレポートをお届けします。
会場の雰囲気
今年のATmosphere Conf (以下, AT conf) は、ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)のAMS Student Nestという建物で開催されています。UBCはとても大きい大学で、その中の講義棟の一つでカンファレンスが行われているというわけですね。
大学に到着してホテルで荷物をおろした後、Nestに向かいました。その道中なんと新しくCEOになったToniさんにばったり出くわしました。Naokoさんとは1Automaticの頃からの付き合いだそうで、話しかけて下さいました。いい意味でVCの人っぽくない優しそうな方でした。期間中にまた話せる機会があるといいな。
受付をすると写真のようなネームバッジがもらえました。名前の面にAsk Me Aboutの欄があり、その下の空白に関わりのあるプロジェクトや興味のあるサービスのステッカーを貼るように言われました。お昼に受付しましたが、まだまだ沢山ステッカーがありました。ゲットしたいステッカーがある方、お気軽に連絡下さい🙋
ATScience
27日はATScienceのセッションが主なトラックでした。ATScienceとはAT Protocolを科学研究や教育にどのように役立てられるかを考える、研究者、開発者、コミュニティを繋ぐイニシアチブだそうです。
Day 0の投稿でも書きましたが、筆者はOpen Webは「Webを使った集合知の形成」にもう一度チャレンジしようとしている運動と捉えていて、興味の湧くTalkが多かったです。中でも印象的だった2LTを紹介します。
ViewSift: 二極化したトピックに対する理解を深める、エビデンスに基づくソーシャルプラットフォーム
LT: https://atmosphereconf.org/event/ats26-viewsift
Speaker:
SNSで発生する情報の洪水や0エコーチェンバー現象が社会の分断の形成に寄与してしまっているという意見があります。またエコーチェンバーは多寡はあれどBlueskyでも起きうると指摘されています。
分断を助長するのではなく、物議を醸すトピックについても健全な議論を奨励して、分断を修復するような談話プラットフォームが作れないかというのがViewSiftの提案でした。
意見を分類して両方の立場の意見に触れられるようにする
発表で説明された主たるアイデアは、ユーザーの投稿を分類して、あるトピックに賛成の立場の意見と反対の立場の意見を見比べられるようにするというものでした。
まずユーザーはあるトピックについて自分の立場とその典拠を整理して、意見をViewSiftに投稿します。たとえば「「月はチーズで出来ている」という言説に賛成である。なぜなら月面の模様とチーズの模様は酷似しているからである。」といった感じです。投稿されたユーザの意見は集約されて、特定のトピックに対する2つの立場に分類されます。月の例だと「月はチーズで出来ていると考える」立場と「月はチーズで出来ていないと考える」立場です。
ユーザーはViewSiftの画面で簡単に表示する立場を切り替えることができ、両方の立場の主張を確認しながら、何が正しそうかを'Sift' (分別・精査) することが出来ます。
(🖼 当日のスライドで開発中のUIが紹介されていました。スライドが公開されたら画像を追加します。)
反証可能性を肯定するというインセンティブをプラットフォームに組み込むことはできるか
投稿を分類して、賛成・反対の立場を閲覧できるというのは面白いと感じました。また、この表示する立場をShiftできるだけでなく、トピックに対する立場とその典拠を整理して投稿するというのが、主観に委ねない議論を促す仕組みになりうると感じました。一方である種、二項対立ような関係でユーザーの投稿を表示することで、どちらが正解でどちらが不正解かに固執するようになってしまうと有意義な議論から外れてしまいます。
0科学的であるということは既存の知識が新たな知見によって覆される反証可能性を認めることと言われます。ユーザーが一方が絶対的に正解で、他方が不正解であるという立場を取るのではなく、反証可能性を認めながら有意義に両方の意見を吟味するインセンティブをプラットフォームに組み込むには何ができるだろうか、と考えさせられました。
ViewSift
現在、以下のページでテストユーザーを募集しているそうです。
興味のある方はぜひウェブサイトを確認してみて下さい。
Workshop
Talkとは別にWorkshopも行われていました。WorkshopはTalkセッションとは異なり、聴者もPCを開いて手を動かしながら講演を聞きます。
Bluesky Dev Relの さんが担当されたWorkshopに参加しました。
カスタムレキシコンを定義してATmosphereの実装を体験するワークショップ
Workshop: https://atmosphereconf.org/event/81gXjdP
Speaker:
BlueskyのAlexさんが担当されたワークショップに参加しました。ウェブで公開されているチュートリアルに沿って、初めはBlueskyに決まった時間に文字をポストするボットを作り、その後はレキシコンを定義してみてATmosphereの実装を体験するというものでした。
チュートリアル自体はAT Protocolのウェブサイトに公開されているもので既にご存じの方も多いかもしれませんが、ワークショップ形式でBlueskyの人に質問しながら作業を進められるのはとても良かったです。
ボットの作成が終わり、次はいよいよレキシコンを定義してみようという段階で時差ボケによる睡魔がピークに達して、残念ながら途中リタイアになりました 💦 ワークショップの資料は公開されているので、時間がある時に残りの分をやってみようと思います。
ワークショップの可能性
日本でのBlueskyミートアップイベントに2度ほど参加したことがあります。筆者が参加した回では発表者の講演を聞いたり、グループワークでアイデアを出したりと参加型のミートアップで楽しむことができたのですが、今回、このワークショップに参加してみて、日本でもワークショップ形式の時間が有ってもよいかもと感じました!
Webに公開されている情報であったり、さんざん擦られている内容であったとしても参加者が実際に手を動かして体験できる機会があるのは良いことだと思います。「Blueskyを快適に使うためのTips」とか「エンジニアでなくても出来るフィードの運用を教えます!」みたいなワークショップがあるといいなー。
どのセッションでも活発に質疑応答が行われているのが印象的でした。お互いにアイデアを出し合って、良いものを作っていこうという建設的な雰囲気が感じられました。
28日はメインカンファレンスの1日目という位置付けで、さらに沢山のセッションが予定されています。また日本から参加されている さんのLightning Talkもあります。
カナダは思っていたよりも寒くなく、時差ボケも取れてきたので、沢山発表を聞いてきたいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました!明日もぜひお付き合い下さい。